最近、「どんな車でも5万円で買い取ります」という触れ込みを耳にした方もいるのではないでしょうか。
走行不能な古い車でも5万円の値段が付くなら魅力的に感じますが、果たして本当にそんなお得な話があるのでしょうか。
この記事では、その真偽を2025年最新の情報で徹底検証します。
さらに、ボロボロの車でも少しでも高く売るためのポイントも解説しますので、愛車売却の参考にしてください。
どんな車でも5万円買取は本当か?
「どんな車でも5万円買取」は一見すると夢のような話ですが、結論から言えば完全にどんな車でも一律5万円で買い取る業者は存在しません。
中古車の買取価格は車種や年式、走行距離、故障や事故の有無など車の状態によって大きく変動します。
全く価値が付かないような老朽車にまで一律で5万円の値段を付けることは、ビジネス上現実的ではないのです。
実際には状態の良い一部の車にのみ5万円以上の価値が付くケースを指して「どんな車でも5万円」と謳っている場合がほとんどです。
例えば、本の買取で「どんな本でも1冊500円保証」と宣伝しているようなものだと考えてください。
新品の人気小説なら500円以上の価値があるかもしれませんが、ボロボロの辞書や破れた漫画本に一律500円の値を付けるのは不可能ですよね。
車も同じで、状態が悪かったり市場価値の低い車にまで一律高額を支払うことはできません。
そのため実際に「5万円保証」をうたう業者でも、適用されるのは条件を満たす車だけであるケースが多いのです。
どんな車でも5万円買取という広告の裏側
「どんな車でも○万円買取!」といった宣伝文句は、買取業者による集客のためのキャッチコピーです。
5万円という具体的な金額を提示することで、お得に感じたお客様から問い合わせを得る狙いがあります。
告知された金額自体は嘘ではなく、本当にその最低額で買い取ってくれる場合もありますが、それには車種や年式などの細かな条件が設定されているのが通常です。
つまり「どんな車でも5万円」は文字どおりには受け取らず、「条件を満たせば最低5万円で買い取ります」という意味合いだと捉えることが大切です。
実際に2025年現在、「最低○万円保証」を掲げたキャンペーンは各社で散見されます。
たとえば中古車大手の買取店が期間限定で「全車最低3万円買取保証」を実施したケースや、新車ディーラーが乗り換え促進のため「今なら下取り最低10万円保証」と宣伝するといった例があります。
これらは魅力的に映りますが、キャンペーン適用外の条件があったり、お持ちの車本来の市場価格がその保証額より高い場合にはかえって損をする可能性もある点に注意が必要です。
宣伝文句に飛びつく前に、本当に自分の車が5万円以上の価値を持つか、冷静に見極めることが重要です。
一律5万円で買い取るのが難しい理由
なぜ全ての車を一律に5万円で買い取るのは難しいのでしょうか。
主な理由は次のとおりです。
- 車の価値は状態や需要によって異なり、一律査定ができないため
- 古すぎる車や損傷の激しい車は中古車市場で再販できず、高値を付けられないため
- 場合によっては処分に費用がかかり、買取側が赤字になる可能性もあるため
まず、年式が古く走行距離も長い車は中古車としての需要が低く、再販目的では値段が付きにくくなります。
そういった車は解体業者に引き取ってもらうしかありませんが、部品に価値が無かったり車両が小型で鉄スクラップの量も少ない場合、5万円もの高額をつけるのは困難です。
また、極端に損傷した事故車などは処分や解体に手間がかかり、場合によっては業者側が費用を負担することすらあります。
このような理由から、「絶対に最低5万円保証」という条件を無制限に適用するのは現実的ではないのです。
最低買取価格を保証する業者とその実情
「どんな車でも5万円」は厳密には難しいものの、中には最低限の買取価格を保証してくれる業者も存在します。
こうした業者は、車の状態に関わらず〇円以上の買取保証を掲げており、事実上の最低買取額を設定しています。
以下では、代表的な2種類のケースについて解説します。
廃車買取専門業者なら0円以上で買取可能
廃車同然の車であっても、専門業者に依頼すれば「0円以上」で買い取ってもらえる場合があります。
例えば廃車買取カーネクストや廃車王といった業者は、事故車・不動車などどんな車でも必ず0円以上の査定額を付けて引き取ってくれます。
全国対応のこれら専門業者ではレッカー代や手続き代行費用も無料で、所有者が費用負担する心配はありません。
エンジンがかからない車検切れの車でも引取りOKで、完全無料で処分できるうえ僅かでもお金が戻ってくるため、ディーラー等で値段が付かなかった車でも安心して任せられます。
こうした廃車買取サービスが最低買取額を保証できるのは、独自の中古部品販売ルートや鉄のリサイクル網を確立しているからです。
例えば廃車王は全国に150社以上のパートナー解体業者を持ち、使える部品はリサイクル部品として販売し、鉄や非鉄金属も資源として回収します。
その利益を買取価格に反映できるため、どんな車でも0円以上の値段を付けられるのです。
2025年現在ではテレビCMで廃車買取サービスの存在が盛んに宣伝されており、「どんな車でも買い取ります(0円以上保証)」というスタンスは一般にも広く認知されつつあります。
大手買取店やディーラーの保証キャンペーン
一方で、中古車買取店や自動車ディーラーが期間限定で最低保証キャンペーンを行うケースもあります。
前述のようにガリバーなどの大手買取チェーンが「最低○万円保証」と銘打って集客する例や、メーカー系ディーラーが「下取り最低○万円保証」を打ち出す例です。
これらは基本的に宣伝期間内のサービスであり、適用には細かな条件(自走可能であること、新車購入とセットであること等)が定められています。
条件を満たせば古い車でも通常より有利な価格が提示されるメリットがありますが、保証額=常にお得とは限らない点に注意しましょう。
たとえば本来10万円以上の値が付く車をキャンペーンに乗せて売却してしまうと、保証額の5万円や3万円で買われて結果的に損をする可能性もあります。
保証キャンペーンを利用する際は、自分の車の市場価値と提示額を比較検討することが重要です。
車買取の最低保証が可能な理由
では、なぜ車の買取業者は状態の悪い車でも一定の金額を保証できるのでしょうか。
背景には、廃車になる車であってもお金に換えられる価値がいくつか存在するためです。
最低保証の根拠となる主なポイントを解説します。
理由1:自動車税の未経過分が返金される
普通車の場合、毎年4月に自動車税を年額前払いしています。
車を年度途中で売却または抹消登録(廃車)すると、納めた自動車税のうち未経過分の金額が後日オーナーに還付されます。
具体的には、例えば春に税金を払った後でその年の秋に車を手放すと、残り半年分程度の税金が戻ってくる仕組みです。
この還付金は車種にもよりますが1〜2万円以上になることもあり、買取業者によっては査定額にその分を上乗せしてくれる場合もあります。
したがって古い車でも「0円以上」で買い取れる一因として、自動車税の還付金が買取額の下支えとなっているのです。
理由2:パーツや金属資源として価値がある
動かなくなった車でも、解体すれば中古部品やスクラップ資源としての価値があります。
人気車種であれば中古パーツは海外を含めて需要があり、エンジン・ドア・タイヤなど使用可能な部品は再販可能です。
またボディやシャーシは鉄の塊ですし、ラジエーターや配線には銅、ホイールにはアルミなど、様々な金属が含まれています。
特に触媒(キャタライザー)にはパラジウムやプラチナといった希少金属が使われており、近年これらの価格高騰もあって解体業者にとって貴重な収入源となります。
このように、ボロボロの車であっても素材ごみに出すのとは異なり、解体すればお金に換えられる部分が多々あるため、業者は最低限の買取額を保証できるのです。
理由3:修理・整備して海外で再利用できる
日本国内では価値が付かないような古い車でも、海外に目を向ければ需要があるケースがあります。
日本車は海外で人気が高く、年式が古く走行距離の多い車でも、簡単な修理や整備を施すことで中古車として輸出できることがあります。
発展途上国では「壊れていてもまずは安く仕入れて直して乗る」文化もあり、日本では廃車同然でも海外では数十万円で売れる場合もあるのです。
買取業者はこうした海外輸出ルートを持つことで、国内では値段の付かない車にも利益を見出し、そのぶん最低買取価格の保証につなげています。
古い車を高く売るためのポイント
ここまで「5万円買取」の実情を見てきましたが、大切なのはお持ちの車をなるべく有利な条件で手放すことです。
最後に、年式の古い車や過走行車でも少しでも高く売却するためのポイントを確認しましょう。
複数の業者に査定を依頼して競争させる
車を高く売る基本は、複数業者に査定を依頼することです。
一社だけの提示額で即決してしまうと、本当はもっと高く買ってくれる業者を逃してしまう可能性があります。
特に「最低○万円保証」の宣伝につられて一社に絞ってしまうのは禁物です。
買取専門店、ディーラー下取り、廃車買取業者などから相見積もりを取り、価格競争させることで査定額がアップする確率が高まります。
最近では一度の申し込みで複数社から査定を受けられる一括査定サービスも普及していますので、上手に活用してみてください。
廃車買取サービスを上手に活用する
動かない車や値段が付かないと言われた車でも、廃車買取専門サービスを利用すればお金に換えられる可能性があります。
たとえばディーラーで「0円査定」だった年式の古い車でも、廃車買取業者であれば数万円の値が付くケースも珍しくありません。
また、廃車専門業者はレッカー移動から面倒な廃車手続きの代行まで無料で行ってくれるため、手間をかけずに確実に処分できるメリットがあります。
地元に解体業者がない場合でも、全国展開のサービスに申し込めば自宅まで引き取りに来てくれるので安心です。
「この車はさすがに売れないだろう」と諦めずに、一度は廃車買取の査定を試してみる価値があるでしょう。
新車への下取り保証キャンペーンを検討する
もし古い車から新車への乗り換えを検討しているなら、メーカーやディーラーの行う下取り保証キャンペーンを利用できないか確認してみましょう。
例えば「○○周年記念 下取り車最低10万円保証」といったキャンペーンが該当します。
お手持ちの車が通常では値段が付かない状態でも、新車購入とセットなら○万円で下取りしてくれるため、実質的な新車値引きとしてメリットを享受できます。
ただし先述したように、その額より高く売れる可能性がある車種もありますので、ディーラーの提示額だけでなく中古車相場も自分で調べたうえで判断すると安心です。
下取り保証を過信しすぎず、新車ディーラーと買取業者の双方から見積もりを取って比較するのがおすすめです。
まとめ
「どんな車でも5万円買取」という宣伝は魅力的ですが、そのまま額面通りに受け取るのは禁物です。
実際には車の状態次第で価値は様々であり、一律5万円で買い取ってくれる業者はいないのが現状です。
ただし、廃車買取専門業者の登場によってどんな車でも『0円以上』で引き取ってもらえる環境は整ってきました。
古くなった愛車に値段が付くか不安な方でも、こうしたサービスを利用すれば少額でも現金化できる可能性があります。
また最低保証額のキャンペーンもうまく活用すれば、全く値段が付かないと思っていた車から思わぬ収入を得ることも可能です。
覚えておきたいポイント:
愛車を手放す際は複数の査定結果を比較し、最低保証額に飛びつかないことが大切です。
車の本当の価値が保証額を上回る場合、自分から損をしてしまう結果になりかねません。
「どんな車でも○万円」といった宣伝に惑わされず、様々な売却ルートを検討することで納得のいく価格で愛車を売却しましょう。
最終的には、ご自身の車の状態や市場での需要を踏まえて最適な売却先を選ぶことが重要です。
手間を惜しまず情報収集と比較検討を行い、後悔のない形で大切な車を次のステージへ送り出してください。