車を査定に出した後、「少しくらいなら乗っても大丈夫だろうか?」と悩む方も多いでしょう。
査定後に走行距離が増えたことで、買取価格が下がってしまわないか心配になります。
実は、査定後の走行距離や車の扱い方次第で、査定額に影響が出ることがあります。
査定後のわずかな運転であっても思わぬ減額に繋がる可能性があるため、注意が必要です。
本記事では2025年現在の最新情報に基づき、査定後に走行距離を増やさないためのポイントや、減額を防ぐ方法を詳しく解説します。
愛車を少しでも高く売りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
車査定後の走行距離は査定額にどう影響する?
中古車査定では、走行距離が長いほど車の消耗が進んでいると判断され、査定額は低くなる傾向があります。
逆に、走行距離が短い車は使用感が少なくコンディションが良いと見なされ、評価が高くなります。
そのため、査定後にさらに走行距離が増えることは、基本的にプラスには働きません。
日本自動車査定協会(JAAI)が定めた基準では、乗用車の年間平均走行距離は約1万km(軽自動車は約8,000km)とされています。
この目安より大幅に多い走行距離の車は「多走行車」と呼ばれ、市場では敬遠されがちです。
特に走行距離が5万kmを超えるあたりから査定額が下がり始め、10万kmを超えると大きく価値が下がる傾向があります。
査定後にオドメーターがこうした節目を超えてしまうと、査定額に大きな影響が出る可能性が高まります。
走行距離が査定額に影響する理由
走行距離は車の使用度を示す重要な指標です。
長い距離を走った車ほどエンジンやブレーキ、足回りなど各部品の摩耗・劣化が進んでおり、残りの寿命が短いと判断されます。
そのため、中古車市場では走行距離が長い車はメンテナンスコストがかかるリスクが高いと見られ、買い手が付きにくくなるのです。
一方で極端に走行距離が短すぎる場合も注意が必要です。
例えば10年落ちで1万km程度しか走っていない車は、長期間動かさずに放置されていた可能性があり、ゴム部品の劣化やサビなどコンディション悪化が懸念されます。
このように、走行距離は「適度」であることが理想ですが、一般的には少ないほど査定には有利と言えるでしょう。
平均的な使用より走行距離が多い車は敬遠されますが、希少な車種や人気車であればある程度走っていても高値が付くケースもあります。
しかし通常は、年式相応の走行距離を大きく超える車は評価が下がってしまいます。
走行距離が査定額に与える影響はそれだけ大きいため、査定後はできるだけ距離を延ばさない方が無難です。
査定後に走行距離が増えるとどうなる?
査定後に車を運転して走行距離が増えてしまうと、査定時点の評価との差分が生じます。
買取業者は車の引き渡し前に最終チェックを行いますが、その際に査定時より走行距離が伸びていれば、その分車の価値が下がったとみなされます。
特に短期間で数百km以上も増えていれば、「査定後に酷使されたのではないか」と疑われてしまうかもしれません。
走行距離の増加による減額幅は車種や走行距離の水準によって異なりますが、例えば査定後に1,000km以上も余計に走れば再査定で数万円以上のマイナスになる可能性があります。
また、先述の通り走行距離が節目の値(例えば99,000kmから100,000kmなど)を超えた場合、査定額のランクが一段階下がって大幅な減額を招くこともあります。
このように査定後の走行距離増加は、たとえ少しであっても油断できない要素なのです。
査定後、どれくらいの走行ならセーフ?
「査定してもらった後、少しくらい乗っても平気?」と疑問に思う方もいるでしょう。
結論から言えば、査定後は可能な限り車に乗らないのが理想です。
しかし実際には、査定会場から自宅へ戻る程度の走行や、ごく短距離の移動はほとんど査定額に影響しないとされています。
数キロから十数キロ程度の増加であれば、大半の業者は許容範囲として再査定なしで買い取ってくれるでしょう。
とはいえ明確なボーダーラインが公表されているわけではなく、買取業者ごとに対応は異なります。
例えば「査定額は○日以内・○○km以内なら保証」といった条件を提示する業者もありますが、それを超える場合は減額対象になる可能性が高いです。
一般的には査定後に100km以上走行すると注意が必要で、場合によっては再査定になると考えた方が良いでしょう。
少しでも高く売るためには、「査定が終わったらできるだけ乗らない」が鉄則です。
査定後の車の事故・キズによる査定額への影響
査定後に車に乗り続けると、走行距離だけでなく思わぬトラブルで査定額が下がるリスクがあります。
その代表例が事故や車のキズです。
査定時には無傷だった愛車でも、査定後に事故を起こしてしまったり新たなキズをつけてしまった場合、買取価格に大きな影響が出ます。
買い取り業者は契約前に車の状態を再確認しますので、査定後に生じた損傷は確実に見抜かれます。
「小さいキズくらい平気だろう」と思われがちですが、業者にとっては車の再販価値を下げる重要な要因です。
ここでは、査定後に起こり得る事故やキズと査定額の関係について詳しく見ていきましょう。
査定後に事故を起こした場合の影響
査定後から実際に売却するまでの間に事故に遭ってしまうと、査定額には深刻な影響が及びます。
たとえ走行できる軽度な事故だったとしても、車に事故歴(修復歴)が付く可能性があり、その場合は査定額が大幅に減額されます。
フレームにダメージが及ぶような大きな事故では、最悪の場合「査定額ゼロ」に近い評価になってしまうこともあり得ます。
修理して元通りに直したつもりでも、事故歴のある車は中古市場で敬遠されがちです。
査定額が下がるどころか、買取自体を断られるケースも考えられます。
このため、査定後は事故を起こさないことが何より重要です。
万が一事故に遭ってしまった場合は、速やかに買取業者に連絡し、再査定を受ける必要があります。
新たなキズやヘコミも見逃せない
事故ほど深刻でなくとも、査定後についた小さなキズやヘコミも油断できません。
例えばバンパーの擦り傷やドアの小さなへこみ、フロントガラスの小さなひび割れなど、一見些細な損傷でも査定額減少の原因になります。
査定時には無傷だった車にキズが増えていれば、業者はその修理費用を差し引くだけでなく、車の印象評価も下げて再評価します。
小さなキズであっても「無事故車」として販売できなくなると判断されれば、数万円~数十万円単位で査定額ダウンに繋がる可能性があります。
修復歴ありとみなす基準は業者によって異なりますが、自分では「これくらい問題ない」と思う程度のキズでも減額対象になることを忘れてはいけません。
査定後は狭い道でのすれ違いや駐車時の不注意にも十分気をつけ、愛車に新たな傷を増やさないよう心掛けましょう。
車両コンディションの悪化にも注意
査定後に車を使い続けることで生じるリスクは、事故やキズだけではありません。
例えば、走行中にエンジンや足回りから異音が発生し、査定時には確認できなかった不具合が露見する場合があります。
また、走れば走るほどタイヤは摩耗しますし、ブレーキパッドなど消耗品の消耗も進みます。
タイヤの溝が浅くなり交換が必要と判断されれば、その分マイナス評価となるでしょう。
さらに車内外のコンディション維持にも気を配る必要があります。
査定後に車内で食事をしたりタバコを吸ったことでシートにシミや臭いが付いてしまえば、査定時よりマイナス印象となります。
ペットを乗せた場合の毛や臭いも減額要因になりかねません。
このように、日常的な使用でも少しずつ車の状態は変化します。
査定後はできるだけ車の使用を控え、状態を悪化させないことが高く売るための秘訣です。
査定額の有効期限と再査定の必要性
中古車の査定額には「有効期限」が設けられていることをご存知でしょうか。
多くの買取業者では、査定後その金額で買い取りを保証してくれる期間が定められています。
この有効期限を過ぎてしまうと、原則として再査定が必要となり、提示額が変わってしまう可能性が高いです。
査定額の有効期限は業者や車の状態によっても異なりますが、一般的には査定日から7日〜10日程度に設定されることが多いようです。
中には2週間程度有効とするケースもありますが、長くても1ヶ月以上その査定額が維持されることは稀です。
2025年現在では、市場の変動が激しいため有効期限は短めに設定される傾向にあります。
提示された査定額がいつまで有効なのか、必ず査定時に確認しておきましょう。
査定額の有効期限とは?
査定額の有効期限とは、その価格での買取を保証してくれる期間のことです。
査定後にすぐ売却する場合は問題ありませんが、実際の売却までに時間が空く場合、この期限を意識する必要があります。
有効期限内であれば、査定時に提示された金額で買い取ってもらえるのが通常です。
しかし期限を過ぎれば、改めて車の状態をチェックされ、新しい査定額が提示されることになります。
なぜ有効期限が設けられているかというと、時間が経過すれば車の状態や中古車市場の相場が変化する可能性があるからです。
例えば査定後に時間が経つほど車は年式が古くなり、市場価値が下がる傾向があります。
また、中古車相場も常に変動しており、人気車種の需要低下やモデルチェンジの発表などによって短期間で価格相場が下がることもあります。
そのため、査定額には一定期間の保証しか付けられないのです。
有効期限内に売却する重要性
高く売るためには、査定額の有効期限内に売却を完了させることが肝心です。
期限を過ぎてしまうと、たとえ査定時と車の状態が変わらなくても、形式上は再査定となり価格が見直されてしまう場合があります。
有効期限内であれば「査定時の約束金額」で売れる安心感がありますが、期限切れ後は減額リスクを覚悟しなければなりません。
特に、年末年始をまたぐ場合やモデルチェンジ直前など、市場環境が変わりやすい時期を跨いでしまうと査定額が大きく下がるケースも報告されています。
例えば12月に受けた査定額が、年明けには年式が1年古くなることで下がってしまうことがあります。
このような事態を避けるためにも、提示された査定額の有効期限を確認し、その期限内に売却の手続きを済ませるのが理想です。
売却の段取りを迅速に進めることが、高額査定を守るポイントと言えるでしょう。
走行距離増加で再査定が必要になる場合
査定額の有効期限内であっても、走行距離が査定時から大きく増えてしまった場合には再査定を求められることがあります。
多くの買取業者は、査定から売却までに多少の走行は許容していますが、明らかに距離が増えていると判断された場合には再度査定し直すのが通常です。
例えば査定後に1,000km以上も走行すれば、車の状態が変わったと見なされ再査定となる可能性が高いでしょう。
また、査定から売却まで数週間以上経過した場合も再査定が必要になるケースがあります。
仮に有効期限ギリギリであっても、2〜3週間で何百kmも走ったような場合には、事実上別のコンディションの車と捉えられます。
再査定により査定額が下がってしまうのは避けたいところですから、査定後はできるだけ早めに売却手続きを進めることが望ましいです。
予定より売却が遅れそうなときは、事前に業者に相談しておくと良いでしょう。
査定後に走行距離を増やさないためのポイント
査定後、愛車の査定額を維持するためには「できるだけ走行距離を増やさないこと」が大原則です。
ここからは、査定後に極力走行距離を増やさず、減額を防ぐための具体的な方法を紹介します。
ちょっとした工夫で査定額の維持につながりますので、ぜひ実践してみてください。
売却までのスケジュールを事前に決める
査定額をキープするには、査定から売却までの期間をできるだけ短くすることが大切です。
事前に売却のスケジュールを立てておき、いつまでに車を引き渡すか目途を決めましょう。
次の車の納車時期との兼ね合いや、必要書類の準備期間も考慮して計画します。
スケジュールを決めておけば、「時間があるからもう少し乗ろう」という誘惑を防ぐことができます。
売却手続きに必要な書類はあらかじめ揃えておくと、契約をスムーズに進めることができます。
以下は一般的に必要となる主な書類です。
- 自動車検査証(車検証)
- 自動車税納税証明書
- 自賠責保険証明書
- 印鑑登録証明書(所有者が個人の場合)
- リサイクル券
これらを事前に準備しておけば、いざ売却となった際に書類不備で手続きが遅れる心配もありません。
査定後はできるだけ早期に売却できるよう段取りを整えておきましょう。
査定後は代車や公共交通を活用する
査定後に車を手放す日までの間、生活で車が必要な場合は代車や公共交通機関の利用を検討しましょう。
最近では、査定後〜売却までの期間に無料で代車を貸し出してくれる買取業者も増えています。
特に2025年現在、大手買取店などで代車サービスを提供している例もありますので、査定時に相談してみると良いでしょう。
代車を利用すれば愛車の走行距離を増やさずに済み、査定額をキープしやすくなります。
また、短期間であれば電車やバスなど公共交通機関をうまく使って乗り切るのも一つの方法です。
タクシーやカーシェアリングを活用するのも良いでしょう。
「少しの間だけだから」と割り切って、自分の車に乗らない工夫をすることが高く売るコツです。
車の保管方法に気をつける
査定後に売却まで車を保管する際は、その方法にも注意が必要です。
可能であれば屋内のガレージや車庫に保管し、風雨や直射日光による塗装劣化を防ぎましょう。
屋外しかない場合でもボディカバーをかけるなどして、車体をできるだけ良好な状態に保つ工夫をしてください。
保管中も無闇にエンジンをかけたり車を動かしたりせず、静かに「商品」として扱う意識を持つことが重要です。
必要に応じてタイヤの空気圧やバッテリーの状態をチェックしつつ、大切に保管しましょう。
車を丁寧に扱うことで、査定時のコンディションを売却時まで維持しやすくなります。
車内外の状態を維持する
査定後の車内外の状態維持も大切なポイントです。
査定前に掃除や洗車を行った場合、その清潔な状態を売却時まで保ちましょう。
車内にゴミや汚れを放置しないようにし、査定時と同じ状態をキープします。
特にペットを乗せていた人や喫煙者の方は、査定後から売却までの間は車内でのペット同乗や喫煙を控え、臭いが付かないよう注意してください。
外装についても、洗車後に時間が経つとホコリや汚れが付着してしまいます。
気になる場合は売却直前に軽く洗車するのも良いですが、査定後に新たな傷をつけないよう慎重に作業する必要があります。
コーティング施工車であれば、できるだけ擦らないよう水洗い程度に留めるなど、現状維持に徹しましょう。
綺麗な状態を保つことは、最終的なチェック時に好印象を与え、減額リスクを減らすことにつながります。
まとめ
車査定後の走行距離の扱い方次第で、最終的な買取価格に大きな差が生まれる可能性があります。
査定後はなるべく車に乗らず、走行距離を増やさないことが鉄則です。
また、事故やキズなど車両状態の悪化を招くリスクも最小限に抑える必要があります。
査定額の有効期限を意識し、期限内に売却を完了させることで初回査定の高額を維持できるでしょう。
高く売るためには、査定から売却までの間に車のコンディションを維持することが何より重要です。
そのための具体的な対策として、代車の活用や計画的な売却スケジュールの設定、保管方法の工夫などが挙げられます。
本記事で紹介したポイントを押さえておけば、査定後に余計な減額をされる心配も減り、愛車を安心して高値で手放せるはずです。
査定後に避けるべきこと:
長距離ドライブの敢行や頻繁な運転、新たな傷・ヘコミの放置、車内での喫煙・ペット同乗など、車の状態を悪化させる行為。
査定後に実施するべきこと:
早期の売却手続き完了、代車・公共交通の積極利用、ガレージ保管など車両の丁寧な扱い、内装外装の清潔な維持。